アメリカ企業にマニュアルはあるか?

マニュアルに関して

アメリカ企業には必ずあるって聞いてきたけど、僕のまわりにはあまりない。ここはこうした方がいいという意見に関しては、結局改善を言い出すひとっていうのは決まっているのは日本と同じ。

とはいえ、職種によっては完全にマニュアルがある。

製造業の工場の現場やスーパーのレジなどとても安い賃金ではたらしている人たちはたいてい自分の職種以外のことには関心がないし、権限も与えられていない。

先日出張先のフロリダでハンバーガー屋に行った。ToGo(テイクアウト)にしたかったので注文するためにレジで待っているのに、ぜんぜん人がこない。中でハンバーガーを焼いている人やポテトをあげている人は僕がずっとまっているのに、知らん振りだ。

「おいおい、なんとかしてくれよ!」と思うが、どうせ何もしないので、言わない。
アメリカではサービスは間違いなく有料なのだ。こんな場末の店で要求しても、けっしてでてこない。

唐津一
日本企業、その競争力の秘密

「日本の企業って、マニュアルがなかったんですよ。だから、ここはこうした方がいいという意見が出てくる。マニュアルがあると、従業員はそれをこなしていけばいいだけだから、マニュアルに書いてある以上のことはやらなくなるんです。ものづくりには、柔軟な発想が一番大事。マニュアルがある会社は伸びない。バブルが崩壊してから、自信をなくした企業は、欧米企業のマネをしたりしたけど、あまり成果が出てないでしょ。で、最近は、日本的経営の見直しが起きている」

上記は日本企業の競争力の源に関するコラム?の一説。
日本的経営の根本の考え方は「家の論理」。経営者が企業を従業員の家族までふくめたコミュニティと見ているかが鍵となる。また働く人間が企業をどうみているかもその裏返しとなるだろう。

アメリカにいると日本がよく(良くではない・・)見える。

「幸之助さんの一番の特徴は、とにかく、いろんな人の意見を聞くんですよ。それこそ、工場の生産ラインで働いている女の人の意見まで。あと、会社に文句があるヤツはいつでも来いっていってて、平社員でも自由に社長室に入れるようにした。すると、平社員は、堂々と文句をいいにくる。ほんとに、自由な会社でしたね。また、理解力に優れていて、人の意見を聞いて、それは要するにこういうこっちゃな、と明快にまとめる。そうやって、いろんな意見を集約して、最終的な決断を下していくんです」

アメリカの企業は大企業でもこの雰囲気がまだあるように思う。
「家の論理」に対しては「官僚制」という概念で説明できるように思う。社長や上司に対して前向きな不満、文句をいえない企業、組織はもうだめだね。ただしアメリカでは個人は自分の発言に責任を持っている。そのあたりが日本と違うところ・・・

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2004/11/2追記
そういえば スマイル 0円 というメニューでサービスを最初に無料にしたのは日本マクドナルドだ。日本のIT業界は現在尚このジレンマに悩まされている。