フィードビジネスの未来

RSS/Atomなどのフィードという技術をビジネスにしようとしている業界団体FBSのイベントに参加した。

頭を整理するのにとても役にたった。
インプレスおよびITmediaにはすでにこのイベントに関連した記事が掲載されている。

「2009年に2000億円」、RSS/Atomフィードのビジネス活用推進団体が初会合

フィードビジネス・カンファレンス:RSS/Atomフィード需要拡大の先に見えるもの

(株)RSS広告社 田中社長は、RSS/Atomなどのフィードを利用したプレイヤーを1)配信レイヤー、(2)付加価値レイヤー、(3)受信レイヤーの3層にわけて、それぞれの概況を述べてくれた。「市場をもりあげなくてはいけない」で講演(どちらかいうと講義に近い)をはじめた田中社長は「日本語解析」が検索と同じ技術の肝であり、最後には「技術力」と「営業力」のパワーゲームになるのではないかと言われていた。

3層を図式したものは記事と一緒にこちらにある。

どうやらマイクロソフトIE7.0にRSS機能をのせるらしいので、3層目のビューワーの世界はいずれ彼らの世界になってゆくのかもしれない。

下記は前述の記事を一部引用。

「あくまで仮説であるが」と前置きしながらも「2009年には280万ユーザーがフィードを利用し、市場は約2000億円程度になるのでは」と予想する。佐藤氏によると、現在約8000万人のインターネットユーザーが月間平均で約15時間インターネットを利用しており、年間約5.6兆円のB2Cコマース消費を作り出しているとのことで、これらの拡大とともに、この中からユーザーがフィードに費やす時間や金銭の増加が見込めるとのことだ。

記者って発表者のソースのぜんぜん裏とらないんだ(そのままかい!)、と正直驚きであるが、フィードというものが情報の消費の仕方を大きく変えてゆくことは大きく同意ができる。

マイクロソフトRSSAtomなどの専門用語がフィードの一般的普及をさまたげているとして「Webフィード」という言葉に変えてゆこうと提唱しているようだ。

株式会社テクノラティジャパン 佐藤匡彦氏の話で面白かったのはユーザのインターネットの利用の志向が「ブランド軸」から「目的軸」に変わったと指摘された点だ。必要な情報にたどりつく際の、ポータル、検索エンジンの利用の仕方をさしてそういうらしい。ブログやトラックバックなどの従来のやり方とは違う、人・情報のリンク、集積がそれを実現しているだろう。

「Blog/Feedはゆるやかな情報共有、指向性低い情報を伝達するツール」と説明してくれたサイボウズの小川氏の説明はとてもわかりやすかった。企業ないでBlogをどう利用するかという点をサイボウズ社内の事例をもとにわかりやすく説明してくれた。「なんとなく知らせたい」「なんとなく知っておきたい」情報を伝える、「見たよ」って返事しなくてよい。企業における「報連相」「メール」とは違った居心地のよい情報共有空間をと作り出すことが可能になるとしている。そのために「社内にWeb型のRSSリーダーをおくこと」が現実的な解としている。

会場でやられたアンケート結果などはこちらにある。アンケートを結果を見ると、技術そのものよりも、どうビジネスにしてゆくか?企業内でどう利用するか?というところに現状の注目が集まっているように感じた。