優秀な人が優秀なソフトウェアを作る

「ソフトウェア最前線」著者:前川徹 を読んだ。

日本の情報サービス業界に対して警鐘を鳴らしているその本は、「日本のソフトウェアがどうすれば外国のソフトウェアよりも競争力が高くなるのか?どうすれば産業として発展するのか」という視点で書かれている。

ソフトウェアの産業の全体、工学としてソフトウェア、開発手法、雇用の問題、ユーザのあり方など幅広くとらえてかかれれている。この業界の人は一読すべき、わかりやすい本だと思った。

その中であまりにも当たり前で、あまりにも日本の情報サービス業界ができていないことが書かれている。

それは 「優秀な人が優秀なソフトウェアを作る」 ということだ。

より質の高い(バグが少なく、メンテがしやすいなど)のソフトウェアを開発しようと思うなら、優秀なプログラマを集めればよい。

優秀なプログラマを集めるには、彼らの才能や能力に見合う環境や報酬精度を整えることだ。

一番の問題は「年齢に比例した報酬精度」だと著者は指摘する。ソフトウェアの生産性は優秀な人とそうでない人では28倍も違うと指摘し、現在の情報サービス業界は優秀な若者にとってとってもも「働きたくない職場」となっていると言う。


う〓ん、とってもごもっともである。
自分も入社当時はSE採用だった。
3ヶ月の研修時代、同部屋の優秀な奴との差を感じ、自分がエンジニア向いていないことを知った。自分は結果的に販促部門に進んだが、多くの同期はそのままエンジニアとなり、現在も日々プログラミングにいそしんでいる。(一部優秀な奴はさっさとやめている。)体力もだんだん衰え、徹夜でリカバリするのも限界になってきた。そうした「息切れしてやめてゆく若者」がこの業界にはたくさんいる。

最近ではそうした若者を「使い捨て」する風潮まで出てきた。教育して育てるというよりは、優秀な奴を体力のあるうちに使い捨てる。ある年齢に達するとキャリア制度の名目で転職を勧める(=強制する)・・・。

ものすごい悪循環だと思う。